そもそも、何かを決断するためには、いくつかの選択肢が存在するわけです。そして、それぞれの選択の結果を予測してもっとも望ましい結果になるように決断するべきでしょう。そうしてこそ、決断なんていかめしい漢字で書かれる言葉にふさわしいってものです。で、決断の前に人は少しでも多くの情報を得て、予測性を高めようと努力します。これが、面倒くさいのです。
「おい、こら、そこはお前ちゃんと努力すれば、自分のためになるじゃないか」なんておっしゃる貴兄の世の中に対する信頼性には、もうあこがれちゃいますが、ついこないだまで新婚旅行の人気ナンバーワンだったインドネシアに自衛隊機を派遣して邦人を救出しようってご時世ですからねえ。
まあ、僕ももう大人ですから、そういう世間の不確実さに文句を言おうなんて青臭い事が言いたいんじゃないんです。そりゃあ、あたしだって、将来の予測にコストを払うのは惜しみませんよ。そうじゃなくって、何が僕にとって一番面倒くさいかというと、決断すべきタイムリミットが決まっていないときなのです。
こういうときには、いつ決断するかということと、どれだけ情報を事前に手に入れるかと言うことの間でトレードオフ関係が生じることがあります。例えば、お見合いをしたとします。そこそこ素敵な女性だったとしましょう。さあ、結婚しますか?やっぱり、見合いですから、条件は大事ですよね。家庭的な人かな?趣味はあうかな?転勤してもついてきてくれるかな?。。。etc.etc。リストは延々と続きます。さあ、情報獲得です。でも、一年間おつきあいを続けて、リストのチェックリストをぜーんぶ埋めたとして、もし、結婚すべきでないという結論が出たら?おい、わしゃ、もう30やねんぞ。この貴重な一年間どうしてくれるんじゃい!って事になりますよね。こんなことなら、最初の3つのチェックリストだけでやめてしまえばよかった。そうしてれば、もっとたくさんの女性と知りあえていたに違いないって、きっと僕なら後悔する。
でも、本当にそうしていたら、よかったんでしょうか?たまたま、チェックリストの最初の項目がダメでも、後は満点かもしれない。で、それ以上の女性には今後巡り合えないかもしれない。もし、そうだったら、あー、もうちょっと慎重にチェックすればよかったって、きっと僕なら後悔する。
つまりは、こういうことなのです。このトレードオフに直面することで、決断を下すために別の決断を下さなければならなくなります。でも、じゃあ、いったいいつ決断すればいいのですか?その決断を下すためには。。。。。無限ループですね。パラノイアと呼ばば呼べ。決断を突き詰めていこうとすれば、どうしてもこの無限地獄に落ちていきいます。
突き詰めて考えても、物事が解決する見込みがないのなら、「やーめた」といって考えることを放棄してしまえばいいんです。で、そんなんやったら、周りの状況や意見に流されてしまえーって事になります。そうしたって、考え抜いて決断したのと結果はあんまり変わらないかもしれないものね。
と、いうわけで、僕の優柔不断は確信犯なのです。もちろん、そのせいでこの年になるまで結婚もせずぶらぶら暮らしているわけでは、、、