15ミニッツ
消防組織にも警察権を持っている人がいることが学べる映画。なので、放火現場での目のつけ所が違っていたり、火事現場に巻き込まれたときも普通の人が思わない判断をしたりということが描かれていて、一風変わっていて面白い。アメリカにはいろんなところに警察がいるものだなあ。
この映画、未消化なアイデアが盛りだくさんに詰め込まれていて、それぞれは目新しいものなのでよいのだけれど、全体として調和が取れていないのが、残念なところ。シャーリーズセロンが売春組織の元締めを東欧の言葉をしゃべりながら演じるところとか、デ・ニーロのプロポーズとか、マスコミの中の良識派と低俗派の対立とか、目撃者の東欧人娘のエピソードとか、全部本筋とは関係ないわけです。
映画を見ている間は、こういうのを刈り込んで、デ・ニーロとエドワードバーンズの間の師弟愛的な関係と、確信犯的な殺人者をも主役として祭り上げてしまうメディアの売らんかな主義に対する揶揄だけに集中すればいいのにと思っていました。でも、今考えてみると、そんな映画はこれまでにいくらでもあるわけだから、そんなに簡単じゃないのかもしれませんね。それはともかく、こういった映画の構造に関する問題は散見されるものの、デ・ニーロの刑事は相変わらず存在感たっぷりだし、悪役二人の憎々しさも極まっていて、見ている側としては、「くっそう、こんなことが許されていいのか」と燃えどころ十分です。
ところで、この映画の味付けに、アメリカの象徴としての「映画」に対する批判的スタンスってのもあるようなんだけど、これって自分の足を食うタコなんじゃないですかね?
どうでもいいんですが、エンドタイトルが長すぎませんかね。途中で4回くらい音楽が替わったように思うが。ハムナプトラ2みたいに、エンドタイトルにもデザインを施してお客を飽きさせないような工夫をしている映画が増えてきて風潮の中では、なかなか辛いものがありましたぞ。
御裁断は(最高☆5つ)
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