ジュラシック・パークIII
知人曰く「中田君は星二つをつけるだろう」とのこと。確かに、あっしはこれまで口を酸っぱくして「登場人物の愚かさのせいで危機に陥ってもだーれも同情しない」って言い続けてきました。そういう意味で言うと、確かに星二つをつけたくなる側面はある。
しかし、次第にわかってきたのです。今作が「おっちょこちょい家族の失われた世界冒険記」であることを。いーや、誰が何と言っても、少なくともテアレオーニだけはこの作品をそう位置づけているはずだ。でなきゃ、あの両手を胸の横でひらひらさせるニワトリスタイルの逃げ回り方が理解できん。それに、この監督はジョージョンストン。そういう情感をうまく娯楽性と結びつけてきた人じゃないですか。むむ、書いていて自分でもだんだん本当じゃないかと思えてきた。
そう考えれば、愚かな登場人物は決してお話の足を引っ張るものではなく、むしろ家族を思う愚直さの現れということなのでむしろ必要不可欠なものなのです(見ているときは、そんなふうには思っていなかったが。だって、ジュラシックパークだと思ってるからなあ)。
そう考えると、不満の残るのはサムニールの処理。このキャラクターは一作目をひきずっているわけで、しかもそのせいで恐竜嫌いになってしまっている、という設定で、そのことをわざわざ語らせてもいるのだから、この人物の変化をもうちょっとはっきり描いておいたほうがよかったのではなかろうか。 それにしても、ヴェロキラプトルは一作目から出てきてるんだから、今回始めて明らかになる性質なんて出してきちゃいかんだろうよ。まあ、いいけど。
御裁断は(最高☆5つ)
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