デンジャラス・ビューティー
サンドラブロックが真摯に映画作りに取り組んでいることが窺われてよい。これに比べるとドリューバリモアなどおふざけに見える(比べる前から自明だという話もある)。曲がりなりにもハリウッドスターだろうに、ブヒブヒはよくやるよなあ。ブヒブヒ。
お話は、オトコオンナ(死語)のサンドラブロックが連続爆破事件の捜査のためにミスコン審査会に候補者の一人に化けて潜入することになり、最終的に女らしさへの偏見を改め解放されるという話。うーむ、ポストフェミニズム。
こういうプロットだと、普通は「日ごろのがさつな言動がつい出てしまって、まわりの候補者達からその正体を怪しまれる。ピンチだサンドラ!」という展開がお決まりなんですが、この作品はそういう風には展開しません。よくよく考えなくても、そんなアホな!という展開が多々あるわけですが、サスペンスや犯罪アクションとして作られていないということなんでしょうな。敗北型スポ根物の一形態として捉えるほうがよいのかもしれません。
それから、事件が解決した後の最後のくだりは、「沈黙の」ものでセガールオヤジが最後にぶつ演説みたいなものということで不問にしておく。
最近どうもあたしゃこういうヌルイ構成の映画に弱い。理性では受け入れてはいけないと思いつつ、結構楽しんで見れてしまうんですよねえ。なので、この映画の長所を二つあげておきます。1)全体として不快感のない作りになっている。2)マイケルケイン、キャンディスバーゲン、ウィリアムシャトナー。この御老体三人が非常に良いです。ウィリアムシャトナーなんて、生涯のベスト演技なんじゃないの?
ところで、理系の大学院にいた私は、サンドラブロック風オトコオンナを見ながら、「あんな人いるんだよなあ」と(誰とは申しませんが)何人もの知人を思い起こしました。もちろん、彼女達はサンドラブロックではないのでミスコンに出たりはしません。念のため。
御裁断は(最高☆5つ)
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