PLANET OF THE APES 猿の惑星
映画史上に残る衝撃の結末を持つオリジナルを前にして、元から勝ち目のない戦いだったことは差し引いて考えるとしてもだ。だからといって、「猿の軍団」レベルの茶番を見せられては、黙ってられない。リ・イマジネーションだと?ちゃんちゃらおかしい。
最近映画雑誌を見ているとよくあるのが「オリジナルでは人間のカリカチュアにしか見えなかった猿が、こんどはリアルだ!さすがティムバートン!独自の世界を構築させたらお手の物だ!」という類いの太鼓持ち。しかし、あーた、オリジナルの衝撃は、猿が人間みたいだからこそ生まれるざんすのよ。今回のように猿が本当に猿みたいだったら、ただの駆逐すべきエテ公。人間バンザイ!ってなりますがな。そうしたら、後は悪辣な敵猿を出して、どうやってこいつを退治するかくらいにしか興味の焦点が作れない。これじゃあ凡百のアクション映画とどうやって差別化できようか。あ、ここでリ・イマジネーションですか?
リ・イマジネーションなんて中身の全くない言葉を弄したりする暇があったら、もっと気を入れて映画を作って欲しいもんだ。主人公の言うことを聞かない登場人物のバカな行動のせいで危機が訪れたとして、どこの観客がハラハラドキドキするもんかね。ちゃんと脚本を書いて必然的な危機を生み出してくれよ、頼むから。それから、マークウォルバー愚(誤変換したけど、このまま使っちまえ)。どこかのインタビューで「今度のラストはオリジナルよりも衝撃だよ」って抜かしてたよな。良心って言葉を書き取り帳に100回書き写しときなさい!
しかし、あたしゃわかったよ。ティムバートンはきっと子供の頃に日光かどこかで猿と目が合ってオヤツ引ったくられたんだよ。そのときのトラウマがこんな映画を作らせたんだわ。いーや、そうに決まっている。でなきゃ、ティムロスの異常なまでの人間憎し猿と、とってつけたようなラストは理解できん(それにしても、オリジナルが強烈なラストだからって言って、どうして今回も無理やりなオチをつけなきゃいけないかねえ。ここが、最もリ・イマジネーションからかけ離れてるんじゃないか?)
御裁断は(最高☆5つ)
最近見た映画へ
一覧へ