バーティカル・リミット
これって収支が合わないんじゃないの?
そのうえ、どうにもこうにも大ざっぱなストーリー展開で。悪天候がわかっているのに登山を強行して、それで遭難しているんだから救助隊もごくろうさまなわけで、主人公の相変わらずパッとしないロビンことクリスオドネル以外は、何のために助けに行ってるんだか。途中に襲ってくる危機にしたって、そんなもんで危機に陥るなよ、ちゃんと手を打っておけ、バカ!とつい罵りたくなるようなものばかり。登場人物はビルパク以外は精彩がないし(しかし、ビルパクも役の幅が本当に広い。なんでもござれだな)、見せ場の大半は予告編で何度も何度も見たものだし。この映画をけなそうと思ったら、千夜一夜でも足りないくらいだ。
なのにさあ、結構見れちゃうんだなあ、これが。人間の落ちることに対する恐怖は、よーーーーーーっぽどらしい(それとも、僕だけなのか?高所恐怖症だからか?)。お話自体の遡及力はクリフハンガーと比べて全然なのだが、画面づくりのリアルさで勝っているもんだから、クリフハンガー並に見ていられるんだから、本当に不思議だ。映画を見ている最中はハラハラドキドキで、終わってから「?」って思うんじゃなくって、見ているときから、「おいおい、そりゃないやろ。アルマゲドンやあるまいし」と思っているにも関わらず、最後まで見れちゃうんだよなあ。何度も言うけど、不思議だ。
ベースキャンプが村状態になっているわけだから、そこには立派な人間社会が成立していて、こっちの方が題材として面白いのやもしれないなどと見ている間に思っていました。殺人事件でも起こさせて、山岳アクションに引っ張っていくってストーリーはどうですかね?(って誰に向かっていってんねん)
御裁断は(最高☆5つ)
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