エネミー・ライン
ボスニアで墜落した偵察機の乗員は無事に敵陣を突破できるか?ってのが興味の中心になる映画なんだが、主人公が鼻持ちならない(実際鼻が曲がっているんだが)アメリカン野郎で、感情移入し難い事はなはだしい。大体において、軍隊で上官に対してあんなに反抗的だなんて、リアルさを欠く。
あげく演出がダメダメである。どこかで見たようなスタイリッシュな映像のパクりが、ドラマと何の関連も無く繰り出されてくる。どうしてそこを手持ちカメラのドキュメンタリータッチで演出しなきゃならないんだよ!!って、何度スクリーンに向かって突っ込んだ事か。他にもMTV風の短いカット連発とか(ちゃんと音楽はロックだったりする)、ある動作を一部だけ早回しする手法だとか、とにかく最近の目新しい手法をとりあえず使ってみました、、って素人監督じゃないんだからなあ。
主人公が逃げ回る中で、アメリカ万歳な連中に出会って助けてもらうのだが、そのへんの展開も鼻白む。本気でアメリカが愛されてると思ってるんだから、困ったものだよ。ジーンハックマンもバット★21で助けてもらったときとは大違いで精彩がないし。
しかし、この映画で何が驚いたかって、登場人物のその後を最後にテロップで紹介した事。この映画はフィクションですぜ。どこのどいつが、作り手が適当にでっちあげた後日譚で感動したりするものかね。バカじゃないのか?
御裁断は(最高☆5つ)