オー・ブラザー!
オデッセイアの映画化だそうだ。ジョージクルーニーが愛する妻子に会うために長く(といっても何日かだが)苦しい旅をする話。コーエン兄弟はいつものようにトボけたエピソード満載のお話を進めていく。コーエン兄弟物の中ではよく出来ているほうだと思うが、それにしてもどうしてこの人たちの映画は心を揺り動かさないのだろうか。大脳皮質の表面1ミリくらいしか使わずに映画を見ているような気持ちになる。いや、面白いんだよ。でも、これって、いいのかね?
しかし、ホリーハンターである。なんか最近出てくる映画出てくる映画怖い役柄ばっかりである。今作なんて、ずぶ濡れボーイズの歌を聴いた途端手のひらを返したようにこれだ。あげく、どうでもいいことで「怒るわよ」ときたもんだ。あー、女ってどうしてどいつもこいつも。ジョージクルーニーいわく「女にとって真実かどうかは重要でないのだ」。これこそ知恵の言葉なり。しかし、ホリーハンター。昔はきれいな人だなあと思っていたのになあ。
前世紀はじめの南部が舞台なんだが、風景がきれいで、まだ人間の力が及んでいないところがたくさんあった時代の話である。であるからこそセイレーンやヒキガエルの話が展開できるのだ。物語の出でし来る場所について考えざるを得なかった。しかるに今は物語の成立しにくい時代であることよのうとため息も出てきたのだった。
御裁断は(最高☆5つ)
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