というわけで、つまらないのだ。役者は豪華でお話も小難しいところが一つもない。娯楽映画の王道のような映画なのだが、ただ一点欠けているものがある。それはエモーション。娯楽映画なんだから、登場人物の感情が最高潮に達するところは、照明きっちりしてその表情を細大漏らさず捉え、観客にもその表情に集中してもらう為にフィックスのアップショットにしなきゃいけない。そうしてこそ、エモーションがお客に伝わって、お客のココロも動こうというものである。ところが、ソダーバーグ先生相変わらず手持ちカメラにご執心で、クライマックスでも粒子は粗いし手ぶれだし。なーんで、ジョージクルーニーとブラットピットが、難攻不落のカジノから現金盗む話をリアリズムで描こうとするかなあ。トラフィックやエリン・ブロコビッチみたいに社会派の色のある作品ならともかく。
しかしジョージクルーニーも何考えてんだか。全編にやにや薄ら笑いを浮かべていたが、どういうキャラクターを作っているつもりなんだろう。さっぱりわからん。そういえば、あっしはこの人が主演の映画で「これは!」というのに当たったことが無いなあ。
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