愛しのローズマリー
人の価値は見かけではないのである。でも、でも、性格で人の価値を測るの?それって、性格にも優劣があるって事なの?
と、今作のような素朴な映画に対して、こんな疑問を抱いてしまうのはいけないことだとは思うのだけど、でもこれは、性格というあいまいではっきりとよくわからなくって解釈次第でどうとでもなるものを、客観的に判断できる(もちろん好みの部分もあるんだが)ルックスで示してしまうという今作の肝の部分に問題があるのだ、と私は断じたい。あの世にも恐ろしい悪鬼のような意地悪看護婦を見よ。あんな化け物に見合うほど悪らつな性格の人が存在するとファレリー兄弟は考えているのか?
こんなヒネクレタ解釈をしないとすれば、「人は見かけじゃないよ」っていうお話をこの作品は至極ストレートに描こうとしていると言える。しかしその反面で、「メリーに首ったけ」で見られたような、節操のないギャグがときどき顔を出してきて、それまでのストレートな部分とどうにも相性が悪くて、見てるほうとしても笑っていいのか悪いのか処置に困る。あんな終盤になって尻尾のネタを出してこなくても。。。ファレリー兄弟自身が過去のやり方に捕らわれているのかもしれないですな。
ジャックブラックは目にあまり変化がない。グィネスは、太ったメイクの方が実は愛嬌があったりするかも。ジョー・ヴィテレッリはマフィアの親分にしか見えないなあ。
しかしこの作品は結局、より良い評価基準を探しましょうって話なのだ。それなら、ハゲデブオヤジがかっこいい少林サッカーの方が、ずっと深みがあって良い話というものだ。
御裁断は(最高☆5つ)
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