スパイキッズ
「実は、僕は選ばれた魔法使いの子供で」っていうのと、「実は家のパパとママはすご腕のスパイで」ってのは、メンタリティーとして全く一緒であることよ。ただ、願望の対象が自分じゃないだけ好感が持てると言えようか。
パパとママにバンちゃんことアントニオ・バンデラスと「スネーク・アイズ」に引き続きカツラ取っ払うカーラ・グジーノ。バンちゃん相変わらずファンキーで、グジーノさんも素敵ざーんすが、出番や見せ場はあまりない。変わりにタイトルどうりにキッズが大騒動を繰り広げる。開巻30分ほどはとってもテンポよく進むが、バックパックで空を飛ぶところが終わると、だんだん刺激にも慣れて退屈してくる。で、当初悪役だと思っていたアラン・カミングが悪役の座を降りるにいたって、お話は破綻して何が何やらわからなくなる(とはいえ、アラン・カミングの役柄は魅力的に仕上がっているが)。あげく最後のピンチを乗り切る方法をセリフで説明されるだけにとどめられるのは、大きな問題であることよ。やっぱ、ここは目で見える展開がないとねえ。
あと、最後に画面に向かってひとくさり家族の団結=最大の冒険、とぶつのなら、前半でもうちょっと普通の家族生活の難しさをビジュアルで見せておいてくれなきゃだめだよなあ。いじめられてる、とか、学校を無断で休んでいる、とかセリフで説明するだけじゃだめでしょうさ。赤ん坊の扱いにアタフタするバンちゃんとかのシーンは必須でしょ。
まあ、でも、全般感じが良かったから、いいんだけど。それにしてもロバート・ロドリゲスはロバート・パトリックが大好きだねえ。
御裁断は(最高☆5つ)
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