キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン
ここ何作かのスピルバーグ作品の中では、最も安心できる仕上がりだと言えよう。明るいトーンの作品なのだが、コメディではない。スピルバーグの作るコメディの質はお世辞にも高くないので(というか、スピルバーグの繰り出すギャグはお寒いものがほとんどだ)お客としては、これは大変歓迎すべき事である。スピルバーグの最大の武器はその子供っぽさなので、このちょっとファンタジーっぽいお話(実話だというのに驚かされるが)はおあつらえ向きの素材なのだろう。
レオ様の父親クリストファー・ウォーケンとレオ様を追っかけるFBI役のトム・ハンクス(疑似父親的役回りを演じる)がいずれもよい。登場する女性に魅力がないのもいつもの通り。オープニングクレジットは60年代の映画風で好感度大。
それにしても、このお話で一番タチが悪いのはどう考えても母親だぞ。一体、何を考えているんだか。まさか、今のアメリカ人のフランス嫌いを先取りしていたわけでもあるまいに。
御裁断は(最高☆5つ)
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