007 ダイ・アナザー・デイ
007二十作目の敵は北朝鮮。このご時世なんだか気楽に楽しめないよなあと思っていたら、北朝鮮かどうかなんてお話上全然関係なくって楽しめた。
今回の何が肝かって言うとやはりボンドがつかまってしまい14カ月も拷問を受けたというところ。ひげ面で髪ボウボウ、うつろな目で拷問に耐え死を覚悟したボンドなんてこれまでいたろうか。マドンナの主題歌といい、タキシード野郎の方がタトゥー野郎より新機軸を取り入れるのにずっと積極的であると言うのもひいき目だけからではない(でも、あたしにゃ今回の主題歌はイマイチだな)。
このオープニングから香港を経由してキューバに乗り込むまでは快調至極。ボンド映画とは思えないタイトな構成とテンポで引っ張っていく。まあ、ここまでできたら上等で、これ以上やるとボンド映画でなくなってしまう。というわけで、タキシードに着替えた後はお馴染みのゆるゆるストーリーになっていく。後半なんて氷のホテルから逃げだしたと思ったら舞い戻ると言うのを二回も繰り返してくれたわい。
で、史上最強のボンドガール、ハル・ベリーだが、そのスマートな活躍ぶりが、状況がどうあろうと力任せにぶち壊して回るボンドと対比させることで引き立つ仕掛けである。儲け役ではあるが、ピンでスピンオフを作ろうってのは調子に乗りすぎだと思うぞ。
でまあ、マネーペニーのシーンなど昔からのボンド映画ファンへの目配せもたっぷりで、よいんじゃないでしょうか。
御裁断は(最高☆5つ)
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