ドリームキャッチャー
少年のときの体験がもとで超能力を身に付けてしまい、そのために社会と距離感を感じるようになった4人の幼なじみが、雪の降る山小屋に閉じ込められて、というスティーブン・キング原作の映画。と聞けば、ミニマルな状況下のホラーかノスタルジー溢れる感動作のどちらか、もしくは両方だと思うよなあ。そんなわけで、あのミスターが突然現れたときは、椅子からずり落ちるくらいに驚いた。で、そこから後は、もうボンクラ映画ファン大喜びの話の運びで大満足。
しかし、ミスターの登場以降はずーっと口をポッカリ開けて見ていたので気にならなかったが、冷静になって考えてみると大概いい加減だぞ、このお話。なにげに堅実なキャストで監督もローレンスキャスダンだから大作然としているが、B級の連中に作らせたらきっと目も当てられんものになっていたに違いない。私はボンクラだから、そういうのもちょっと見てみたい気がするが。まあとにかく、スティーブン・キングものはきっちり資金と労力をかけて作ったほうがいいという好例ですな。
プロットにずいぶんと省略されている部分があることは見ていてすぐわかる。で、何冊かスティーブン・キングものを読んでいれば、省略されている部分は映画に輪をかけて面白かろうということが容易に推察されるので、すぐにアマゾンで原作を注文した。そしたら、文庫本4冊だ。しかも、この話のスケール。個々のプロットを丁寧に説明している暇はないということを納得。というか、よく破綻なく二時間強に収めたものだ。
それから、主人公の心の中で起こっていることをあんな風に映像化してきたのには感心した。ところで、同時上映の「アニマトリックス ファイナル・フライト・オブ・オシリス」は単なるオリジナルの焼き直しで、がっかりした。こんな商売やめときゃいいのに。
御裁断は(最高☆5つ)
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