スパイダー・パニック!
化学廃棄物の汚染のために巨大化したクモの群れがアメリカの田舎町を襲う!という、まあ、なんというか、ハリウッドB級映画をこよなく愛するクモ学者たる私のために作られた映画のようである事だ。世界広しといえども、私くらいにこの映画の観客としてふさわしいものはそうそうおるまい。
で、こんなマニアな映画は九州の片田舎ではきっと上映してもらえんだろうなあと思っていたら、たまたま正月公開だったので帰省中のスケジュールを無理矢理こじ開けて大阪は動物園前で見る事が出来た。これも何かのお導きに違いないと思うことにしよう。いや、私がこの映画をスルーするなんて、お天道さまに申し開きが出来ねえってもんだ。
で、CGのクモがわんさか出てくるのである。労力かけて作った一台の巨大怪物とのっそり戦う昔懐かしの怪物パニック映画とはちょっと違う。エイリアン2とかスターシップ・トルゥーパーズと、トレマーズをかけてルートを取った感じ。ハリウッドB級映画マニアの心はそれなりに満足させてもらえる。オープニングとエンディングの処理もお約束だし。一方で、クモも一種類だけではなく、ハエトリグモとかトタテグモなんかもきっちりそれらしく描かれている。クモ学者の心も一応満足である(コガネグモが走り回って餌を取ったりするのはご愛嬌だ)。
満足なんだが、どうも全体としての高揚感に欠けるというか、「あーアホな映画が観れて幸せえ」っていう気持ちになれないのはどういうわけか?登場人物が多すぎて散漫になったせいか、はたまたデヴィッド・アークエットの顔がふざけた映画であるという印象を与えすぎているせいか?やはりB級映画はコストをかけずに見るに限るという事か。。。
御裁断は(最高☆5つ)
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