ギャング・オブ・ニューヨーク
どうにも構成が悪いような気がする。アイルランド移民と在来住民の対立を背景とした復讐劇だとばっかり思っていたが、それは前半のみ。後半は、なんだかわからないが選挙して徴兵制反対の暴動が起こってぐちゃぐちゃの中で終わってしまう。リーアム・ニーソンとダニエル・デイ=ルイスの絡みをちゃんと前半で絵にしていないものだから、レオ様との因縁も今ひとつこちらの心を打たない。キャメロン・ディアスもちゃんとダニエル・デイ=ルイスと濃ゆいシーンをやっといてくれんもんだから、後半に入って全く存在意義を無くしてしまっている。総じて無用に長い三時間。
しかし、どうでもいいが、この町の経済はいったいどのように成り立っているのかしらん。まるで町の住民全てがギャングで、火事場から盗んだと思う間もなくゆすり取られたり上納されたりし、かと思うとそれがボスの気まぐれで還流されたのもつかの間、掏り取られるわけだ。どう考えても悪人同士で取ったり取られたりしているようにしか思えん。これは高度に進んだ資本主義社会のパロディなのか?(そんなわけはない)
まあ、映画らしい映画というか大作らしい作品を見たという満腹感は得られるのかもしれない。この功績はほとんどダニエル・デイ=ルイスのものであるので、ただのレオ様好きは見てもしょうがないかもしれんけど。そういえば、キャメロン・ディアスとの濡れ場をダニエル・デイ=ルイスに見つかるシーン、一瞬年増の娼婦がベッドに寝ているのかと思ったよ。レオ様太りすぎじゃないの?
この映画、911テロのせいで公開が一年ほど伸びたと聞くが、なんでそんなことになったのか理由がさっぱりわからん。まさか、最後のあのカットをデジタル処理で消したくないからという理由だけで、一年公開を見合わせたとも思えんし。
御裁断は(最高☆5つ)
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