インファナル・アフェア
潜入捜査官物はよくあるのだが、今作のポイントは警察がマフィアに捜査官を送り込んだだけでなく、マフィアの側も警察にスパイ警官を送り込んでいること。で、この二人が互いの存在を知らぬまま、ボスの逮捕を巡ってせめぎ合う前半のサスペンスシーンは素晴らしいの一言である。登場人物の知らない事を観客は知っていて、どうなることかといやます緊張である。
それに比べると、後半は少しテンポが悪いのが悔やまれる。どう考えても後半の二つのクライマックスは連続させるべきである。ケリー・チャンのシーンは要らない。要らないのについついこのシーンを入れてしまって感動を誘おうと言う過剰なサービスが香港映画的だと言えばそうなのだが。
まあ、しかしそんなことは些細な問題で、あなたが男なら義のために身を挺す主人公達に熱くなる事請け合いである。アンソニー・ウォンが最高。彼こそがこの映画の肝と言えよう。こういうのは女性には理解できないのじゃないかと思わんわけでもないのだが、私は女性じゃないので本当のところはよくわからん。
あと、スパイ警官は5-6人いたんじゃないかと思うのだが、そのへんがほったらかされているのは香港映画流のルーズさなのか、はたまた三部作になると言うこのシリーズの続編で描かれるのか。
御裁断は(最高☆5つ)
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