パイレーツ・オブ・カリビアン 呪われた海賊たち
ディズニーで海賊と言うと、「黒ひげ大旋風」って小学校の体育館で見て面白かった記憶があるんだけど、あれは子供向けのコメディだったわけで、そりゃあ小学生には面白かろう。東京ディズニーランドでも「カリブの海賊」ってあんまり記憶に残ってないし、なんかジョニー・デップが主役のアクション娯楽大作って言われても、イマイチピンと来なかったわけですよ。それが、巷に流れる評判が思いの外よいものだから、ふらっと見てみたら大当たり。この役を振られたときのジョニー・デップのほくそ笑んだ顔が目に浮かぶようだ。
この曲者俳優が、まっとうな海賊を演じるとは思ってなかったが、それにしてもこの映画のジャック・スパロウ船長は「用心棒」の桑畑三十郎の役回り。ミフネの様であったっていいものを、よりによってオカマのネズミ男として演じていて、しかも、それがこの映画の魅力の半分以上を作り上げているのだから、たいしたものだといえよう。それだけじゃなくって、最後の最後、北を指さないコンパスを見るシーンなんて、もうすっかり誇り高い海賊船長。かっこいいじゃないか。感心したよ。
それにしてもこの映画、掟にとらわれている海賊の側もそれほど自由じゃない存在として描かれているのだが、最後には少しだけ解放される。総督や提督も法の逸脱を条件付きで認める立場になるし、ジェフリーラッシュ率いる呪われた海賊たちも結局は解放される。若者二人も心を打ち明けられるようになるし、猿以外はすべてキャラクターが変化することだなあ。つまり、我が手に少しの自由を、ってのがテーマということだ。まさに海賊映画。しかし、どうでもいいがジョニー・デップとオーランド・ブルームの最初の襲撃方法は「未来少年コナン」でも似たようなのがあったなあ。
キーラ・ナイトレイ嬢もいろいろ頑張っていたけど、オーランド・ブルームは割を食っちゃったね。ただの狂言回しになってしまっている。それに、チャンバラのシーン見てて思ったんだが、彼は体の動きが硬くないか?指輪では弓撃ってるだけだから気がつかなかったのかな。
御裁断は(最高☆5つ)
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