サラマンダー
近未来の竜退治話に「サラマンダー」というタイトルがついているところで、気づくべきだったのだ。開巻「東宝東和75周年記念作品」とドドーンと出てきたときにゃあ、ひっくりかえった。いや、しかし東宝東和も記念の作品にどうしてこんなB級な。。。いや、それでこそ東宝東和と言うべきかもしれん。あっぱれ東宝東和。
で、中身の方だが、古代から蘇った竜の群れが人類を滅ぼす、ってのはギャオスだよなあ。設定を聞けばボンクラ映画ファンの胸はいやおうなく高まるのだが、いざ映画が始まって見ると文明壊滅シーンはあっさり流され、トマトを収穫するのしないのが始まってムムム。それでもマシュー・マコナヘー率いるケンタッキー義勇軍が出てきてスカイダイビングで竜退治するシーンには盛り上がろうものだが、最後の人類の命運を賭けた竜との戦いのショボクレ度合いにはなんともかんとも。これが東宝東和色といえば、その通りなんだが。
それはともかくとして、この映画の最大の見どころと言えばマシュー・マコナヘーでしょう。我が家では、良い人なんだがボンヤリした役の多い彼のことを、常日ごろから「ヘー」と呼んでいるのだが、今回全くヘーらしくない。筋骨隆々・ハゲ・ヒゲ・短足・レッドネックである。さわやかとかハンサムとか育ちがよいとかと対極である。どうした、ヘー。がんばれ、へー。それいけ、へー。しかし、どうでもいいがへーの「ドラゴンと言ってもただの生き物だ。生き物なら殺せる」というセリフはアメリカの兵隊さんに抱くイメージにぴったり寄り添ったものであることよ。
今回のヘーが「ジョーズ」のクイント船長だとすれば、ブロディ署長にはクリスチャン・ベイル。これもパブリック・イメージと全く逆のキャスティングだ。それにしても善人のクリスチャン・ベイルって希釈したトム・クルーズみたいなのな。
結論としてはこの作品、何も知らずに暇つぶしで借りてきたビデオでたまたま見たというのだったら楽しめるだろうスケール感であった。いかにも東宝東和だ。
御裁断は(最高☆5つ)
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