シモーヌ
アル・パチーノ扮する売れない映画監督が主演女優の降板で制作の危機に陥った作品をCG女優を使って完成させたら、その女優が大評判になってさあ大変、という話である。10年前ならCG女優であることを隠そうとするのもわからないではないのだが、このご時世フルCGの俳優が出てきたからって宣伝の惹句にもなりゃしないのではなかろか。なぜ隠す?
この非常に根本的な問題に目をつぶれば、芸術とビジネスの問題とか、真実は何かとか、お話を追うのをふっと忘れてしまうような話題が出てきて面白いと言えば面白い。のだが、映画ってのはテーマさえしっかりしていればいいと言うものじゃあないからねえ。この映画、さあ大変の部分をコメディにしようとしているわけだが笑えない。一ミリたりとも笑えない。そもそもアル・パチーノが主役と言うだけで笑えるはずがない。で、そのアル・パチーノがドタバタするのだが(頼むから口紅なんてやめてくれ)、「そんなわけあるかい」というギャグ続出で、もうなんとも笑えない。アンドリュー・ニコルさんよ。娯楽部分を軽視するなら映画なんて作らなきゃいいんだよ。それとも単に下手なだけか?
ウィノナ・ライダーが出ているのに出番が少なくってがっかり。リハビリか?
御裁断は(最高☆5つ)
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