クローサー
実はヴィッキー・チャオお目当てで観に行ったのだが、スー・チーにノックアウト喰らった。たかがカエルの女王様とタカをくくっていたのは大間違いだった。
観る前に読んでいた批評には、彼女の処理に疑問を呈していたものが多かったが、私も最初は「なんてもったいない事をするんだまったく!!」と立腹しかけたが、後からよく考えてみると作品全体がそうなるように構成されていたわけだから、でき上がってみたらスー・チーが予想以上に魅力的だったということなんだろう。まあ、それなら仕方ない。というよりも、よいことじゃないか!
しかしもうなんともスー・チー様の色っぽい事。見せ場は三つあって、カレン・モクとの対決、ヴィッキー・チャオとのじゃれあいと、それから何と言ってもオープニングの「クロース・トゥ・ユー」。このアクションシーンは私にとって「コップランド」の鼓膜が破れた銃撃戦以上の衝撃だった。この優雅極まりないシーンは、まるで恋愛映画の一シーンのようである。こんな撮り方がありうるのだ。ドリュー・バリモアとキャメロン・ディアスに爪の垢を煎じて飲ませてやりたい。ルーシー・リューは責任が軽そうだから不問に付す。
しかも、このシーンは決して奇をてらったものではなく、これがなかったらその後のスー・チーの恋愛シーンが妙に浮いたものになっていただろうし、またヴィッキー・チャオとの実力差をはっきりと見せつける効果もあって、これが中盤のよく考えてみれば無茶なヴィッキー・チャオの行動にある程度の説得力を付与する効果もある。もう、このシーンだけで星4個分あげちゃうぞ。
そのうえに、スー・チーさんで星三個分。シーンによってはとっても不細工に見えるヴィッキー・チャオでも星一個分はあるし、倉田保昭だぞ星二個半。そのうえ戦ううちにビリビリ服が破れていくというツボを突いた演出にも二個分くらい星あげたいし、お風呂のシーンに星一個やらないわけにはいかないし、なんか最後にレズッ気までほのめかすサービスにも星一個。えーっと、えーっと、全部で、、、
ここでは、原則星四個半が最大なんだよなあ。残念だよ。
御裁断は(最高☆5つ)
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