ソラリス
タルコフスキーの「惑星ソラリス」のリメイクである。私は「惑星ソラリス」は中学生ぐらいの頃にテレビの深夜放送でズタズタに切られたバージョンを見ただけである。であるが、現実よりもマトリックスの方を選んだサイファーを主人公にしたかのような今回の「ソラリス」とは随分違う映画だったような気がする。
で、その「ソラリス」だが、極めて退屈である。あまりに退屈でこちらの気力も奪われてしまい怒る気にもならない。ソダーバーグが作るSF映画を見に行ってしまった私が悪いのだから怒るのも筋違いかもしれんし。ソラリス上空の宇宙ステーションが映ってから以降はずっと心の中で「私が悪うございました」と許しを請うていたのだが最後まで許されなかった。
神妙な顔したジョージ・クルーニーの苦悩は上滑りし、ナターシャ・マケルホーンの行動はみな唐突で、サスペンスなはずのプロットは放置されたままだし、だいたい死んだヨメサンが現われて最初の反応が宇宙に放り出す事で、2番目の反応が相手を人間扱いする事だっていうのは、逆さまでしょうが。さっぱり理解できん。とんでもない事態が目の前に起きてるわけですよ。科学者の端くれとして原因を究明したいとちらりとも思わんですか。科学なんて知らんですか?そーですか。
オーシャンズ11でも思ったが、どうもソダーバーグの映画からは訴えかけてくるものが読み取れないのだなあ。彼は一体何に突き動かされて映画を撮っているのやら。
御裁断は(最高☆5つ)