マトリックス リローデッド
長い長いながーーーい予告編である。
先行ロードショーを観た直後の今の感想は、「正直言ってこういうのを蛇足と言うのではないか?」というものである。一作目のマトリックスはあまりにも完成されていて、今作のように良く言えば単なるスケールアップ、悪く言えば小難しい言葉と最新の映像技術で飾り立てただけに過ぎないような作品を提示しても、前作の衝撃には足下にも及ばない。こういう商売ならやらなきゃいいのに。マトリックス後の世界では、いくらエージェント・スミスが100人になってカメラがぐるぐる飛び回ろうと、あくまで想像の範囲内なのだ。
また、私をして気持ちを萎えさせたのは100人のエージェント・スミスとの格闘シーンがCGだったこと、そのシーンにストーリー上の何の必然性も無かったこと、さらにそのシーンが不必要に長かったことだ。前作のバレットタイムやワイヤーワークは実写だったからこその驚きなのであって、今回のように素人の私が見てもCGとわかるようなシーンを入れてはいけないのではないか?そもそも、この作品は「マトリックス」であるぞ。ストーリー上の必然性が無く、見た目が派手だと言うだけのシーンを作るためにCGに頼るというのは、やってて気持ちが悪くないか?
他にも、アリーヤさんがやるはずだったと言うザイオンでのシーンにあんなに時間を割くぐらいだったら、新しい敵の白い双子の憎々しさをもっと描いておけとか(かっこよさげなのに、これでは単なるやられキャラである)、ザイオンの船の一隻が敵に襲われるシーンが唐突だとか、全体の構成に荒さが散見される。いや、もちろん今回見たのは長い予告編であるから、この感想が当を得ているのかどうかは11月を待たないと判断つかないのだが。
御裁断は(最高☆5つ)
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