ファインディング・ニモ
私は泳ぐのが得意ではなくて、水の中にいると緊張で心拍が上がるたちなので、スキューバダイビングとかきっと向いてないと思うのだ。そんなわけで、魚類学者にはならなかったのだけど(卒業研究の時に川の魚を少し手がけたけが)、ならなくってよかったよ。この映画を観てしまったら、魚を採集するなんて良心がとがめちゃう。クモやアリの採集は構わんのか?って言われそうだけど、アリの採集の時は家族丸ごと取ってくるし、クモは実験室で子供が産まれたらちゃんと採集した場所に返しているのだ。あー、よかった。良心の呵責を覚えないで済む。どうでも良い話だが、動物生態学者ってのは残酷なもので、研究するために生き物を生け捕りにするのはまだマシな方で、採集するとすぐにホルマリンやアルコールに浸けてしまう場合が多いのだ。研究し始めの頃は随分ショックだったもんだ。
閑話休題。で、この映画の素晴らしさは水の中の表現に尽きると思う。濁りのせいで散乱した光の加減や、水中にたゆたうパーティクル、波の動きなどリアルを超えたリアルさだ。水中の微粒子の全ての運動を計算してるんじゃないかとさえ思いたくなる。びっくりした。
で、ピクサーの映画だから例によってお話もしっかりしている。今回は人間にさらわれた息子を探す心配性の父の冒険譚。子供が親を探すという、よくある話をひっくり返していて面白い。で、またピクサーのお話作りの手堅さは、この父親の相棒に健忘症の魚を配して、泣かせが入りそうになるとすぐにギャグを打ってくるところに良くでている。私なんて笑って泣いて大忙しだった。
海の生き物の描写もきちんとしていて、そこも好感度が高かったな。DVDが出たら買って子供に見せなきゃ。
御裁断は(最高☆5つ)
2004年に見た映画へ
一覧へ