ロスト・イン・トランスレーション
私は出不精なのだが、何がイヤかって見知らぬ町のホテルに一人で泊まる事ほどイヤなものは無い。できる限り日帰りで済ませようとするし、それがかなわない場合はなんとかして親戚や友達のウチに泊まろうとする。昼間はいいんだ。普通はすることがあって忙しくしていられる。問題は夜だ。ひたすら時間を持て余す。
今作はそんな私のツボ。映画自体は自主制作映画に毛の生えたような出来で(京都のシーンなんていらないし。まあ良く言うとパーソナル性が高いとも言えるが)、ソフィア・コッポラのお嬢ちゃん的世界観(日本を見る目に表れる視野の狭さ)とも相まって決して私が好きになるようなものではないはずなのだが、ツボを突かれると弱い。不覚にも感情移入してしまった。
これはビル・マーレーの演技によるところも大きくって、疲れていて決して主体的に事態に対処するわけでなく、でもチャーミングで紳士的な人物を好演。なぜアカデミー賞を取れなかったのか不思議だ。
いや、やっぱりこの映画を、慣れ親しんだ長崎とは言え、ホテル泊まりの日に見た事が、感想に影響しているのであるぞ、きっと。なので星の信頼性は非常に低いという事で。
御裁断は(最高☆5つ)
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