マッハ!!!!!!!!
物凄い物を見た。CGは使いません。ワイヤーは使いません。という宣伝文句だが、本当に生身のスタントだけであれば信じられない動きの数々(最後についているNG集を見る限りでは生身みたいだ)。人間ってあんなに跳べるのか、と口をぽっかり開けているだけでも楽しい2時間。子供の頃、未来少年コナンとかで見かけたシーンを生身の人がやっている。必見。必見。
映画の中ではムエタイで敵を倒す度に拳を倒れている相手に突きつける。なんか拳が拳銃のノリである。こんなところでも「ムエタイ最強!」ってことなのかもしれん。子供の頃に見ていたら、九分九厘「ムエタイ習う!」とか思ってしまいそうなのだが、あれは細い手足でやるからかっこよいのだろうなあ。寸詰まりの私がやったって様になるまい。とほほ。
この映画におけるマクガフィンは、原題にもなっているオンバクという石像(といっても石造りには全く見えないのだけど)の首である。これが村から盗まれたのでトニー・ジャーが都会に取り戻しに行くわけだ。で、主役と同じ村から都会に出てきてケチな悪事をしながら暮らしているアンちゃんが、色々あって正しい道に戻ってくる、というプロットが絡まっていて、真面目一徹のトニー・ジャーではできないドラマパートをちゃんと作っているところが偉い。安っぽいドラマと言えばそうなのだけど、しかしその安っぽさは往年の香港映画を輝かせていたものと同じだったりするので悪いものではないのだ。
あと、あんな風に農村と都会の対比をまだ描く事のできるタイの国が少しうらやましく思えた。日本でも30年ほど前は、まだこんな雰囲気が残っていたような気がするが。。
しかし確かにこの映画、普通に考えれば売れる要素が少ないと言うのはわからないでもないけれど、もう少し愛のある売り方できないもんですかね。この作品って超一級の面白さなのに、こんな色物みたいな扱い受けてなあ。
それにしてもトニー・ジャーって、妖怪人間ベロに似てないですかね?
御裁断は(最高☆5つ)
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