フォーン・ブース
世の中いよいよ携帯包囲網は強まってきており、「こんな人まで!」という人からも「イヤー携帯は便利だよ、お前も持ちなさい」と言われるようになった。なんかさっきまで携帯のケの字も無かった人の方が、一旦転ぶと携帯を強く勧める傾向があるような気がする。ひょっとして気が引けているのか?それはともかく、街で公衆電話を探すのに苦労するようになってから久しい。
そもそも私は電話をかけるのが大の苦手。最近は電話がかかってくるのもダメになっているようで、電話が鳴るとびくーって肝が縮む。というわけで、そこで鳴っているからと言って公衆電話の受話器をとってしまう主人公の気持ちは全く理解できないわけだ。
それもともかくとして、主人公は口先だけの広告屋である。コリンファレルのチャームで持ちこたえているが、基本的には観客の共感を呼ばないキャラクターである。で、このしょうもない人間がいかにして改心し謙虚さを取り戻すかと言う話なのだが、そこに介在するのはほとんど神様とでも言うべき姿無き狙撃者なのである。オオ神様は愚かな人間を弄び導き慈悲をかけてくれる事であるよ。
ストーリーとしてはおよそありそうもない話で、だいたいなんであの娼婦達は見てもいない銃を見たとか言って騒ぐのかとか、狙撃者の話を普通は真に受けないだろうとか、最後の仕掛けはいつ用意したんだとか、いろいろ筋が通らないのだが、まあこれも神様の思し召しだと思えば。
でも、個人的にはこういうコンパクトにまとまった上映時間の短い作品は好きだ。
御裁断は(最高☆5つ)
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