サンダーバード
サンダーバードと言われてかーっと熱くなる人たちって言うのは、主に30代くらいかと思うのだが、そういう人たちにこんなお子様ランチ映画を見せて一体どうしようというのだろう?逆に今どきの子供だとサンダーバードなんか何それ?でしょう。上映終了週のシネコンのレイトショーにいた10人くらいの人たちは、みんな私と同じような年格好のおじさんばっかりだったぞ。さぞや皆がっかりしたことだ。
大体サンダーバードのメンバーはほとんど出てこなくって(というか、ビルパク以外は区別がつかん)メカの活躍もあまりなく、3人のガキンチョがトレーシー島の中で追っかけっこするシーンが大半である。あげく、3人の中で主役になるべきトレーシー家の末っ子(まだメンバーと認められていなくて不貞腐れているのが、活躍して一人前になるっていうのがお話)が、自己意識ばっかり強いくせに何もできないし性格は悪いし顔もヘチャで、感情移入しにくい事甚だしい。ベン・キングズレーはよく見ると細かい芸を見せているが、いかんせんコンセプトが狂っていて空回りするばかり。レディ・ペネロープが出てくると、ちょっとだけ面白い。
しかしビルパク始めとするサンダーバードの面々の目に全く表情が無いのは、ひょっとしてパペットの演技をしているからじゃないのか?そうなんだろ?そうに違いない?そうだと言ってよビルパク?
それでも、やっぱり(アレンジが下品といえども)あの音楽が流れて、サンダーバード1号が飛んでいた最初のシーンは、それなりに楽しかった。でもまあやっぱり、昔子供だったオトナのボクちゃんたちが見る映画じゃあないなあ。
一瞬だけパペットの手を使ったシーンがあったように思うんだけど、そういうのも本筋が面白ければ、誉めるべきポイントになったんだが。
御裁断は(最高☆5つ)