コンスタンティン
私の好きなタイプの映画と言うのは、前半でその世界の約束事を全て説明し終わって、後半は新しい設定や登場人物が一切出てこないというものである。で、今作はあそこで突然あの方がおでましになって全てをひっくり返すということをやるわけで、私好みの閉じた話ではない。いや、ひょっとしたらこれも観客周知の世界観に則った展開なのであって、私が「ちょっとそれはムリカラなストーリーってもんだ」と思ったのは、キリスト教の常識を知らなかったり原作コミックスを読んだ事が無かったせいなのかもしれないけど。
実はこの地上に地獄が存在していて普通の人には見えないだけ、という設定はうまく使えば日常観をひっくり返せて面白くなりそうなものなのだけど、それにはこちらの世界、というか日常側の人間を主要登場人物に含めておく必要がある。で、今回レイチェル・ワイズ(姉)がその役回りかと思っていたら、途中で実はあちら側の人間だったと言うことが判明して、結局観客と一緒に隠された世界を見て驚愕する人物は誰もいなかったと言う。そういう点も含めて、語り方が今一つ上手くなくて惜しい。一つ一つの映像は面白いのに、これだと予告編負けしてしまう。どうでもいいが、予告編にもあった、レイチェル・ワイズが壁をどんどんブチ破って飛んでいき、それを窓際まで追ったキアヌ・リーブスが「こりゃダメだ」とばかりにくるりと踵を返すシーンはコンスタンティンの性格を良く現すかっこいいシーンだと思う。
レイチェル・ワイズは大変に色っぽい。キアヌ・リーブスは色んな映画でよく手をヒラヒラさせているが、今作ではライターを消す大げさな動作がそれに当たるのか?
御裁断は(最高☆5つ)
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