ランド・オブ・ザ・デッド
「バイオハザード」とか「28日後」とか「ドーン・オブ・ザ・デッド」とか近頃ゾンビ物が多いなあと思っていたら、ついにロメロ御大登場。ゾンビが花火に気を取られたり知性化したりと新しい設定を盛り込んで、もうこれはゾンビ映画なのか、はたまたアメリカ社会のパロディなのか。
今作の舞台は、周囲を取り巻く川でゾンビの侵入を防ぎ文明を保っている都市。この都市は一部の特権階級と、彼らのために働く下層民から成り立っていて、下層民の一部は生活物資を収奪しにゾンビに冒された周辺の町に重武装して出かけていく。ロメロのゾンビだから動きは遅く、武装している人間側はただゾンビを虐殺しているだけである。誰だって、この設定が何の比喩だかわかるというものだ。で、今作では知性化したゾンビが虐殺に怒り鉄壁と思われた都市の守りを破ってカタストロフの引き金を引く。つまりロメロは、そういう未来を暗示しようとしているのだろうか?
こうなっているもので、いわゆるゾンビ物を見るのだと思って劇場に行くと肩透かしを食う。これまでと違う点はまだあって、俳優たちが名のある人たちなのである。このため良くも悪くも普通のB級映画になっていて、C級映画だったゾンビのトゲのあるリアルな怖さは失われてしまっている。
御裁断は(最高☆5つ)
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