セブンソード
だいたいに於て、武侠物の原作は長大でこってりしたものであり、それを映画化に際して見事に再構成したと言う例はあまり聞かない。そうではなくて、武侠物とは、そんなディテール過剰な原作のハイライト的シーンを全部突っ込んで作られてしまうものであるから、観客にとってはストーリーは宇宙的に展開されるように見えるのである。で、翻弄されることになるのだけれども、一方でなぜかその密度の濃さに熱くなる、というのが武侠物の極めて正しい観賞法である。
で、今作は、そんな真っ向勝負の武侠物である。もういきなり落ちてくる隕石とか、馬との(登場人物にとっての)感動的な別れのシーンの唐突さに唖然としちゃいましたよ。ツイハーク最高!
で、やはりツボを心得ているわけで、どんどこどんどこ熱いアクションを繰り出してくる。惜しむらくは、一番興奮するクライマックスが前半にある事と、個々のアクションが寄りすぎていて、何が起っているのかよくわからない事と、魅力的な悪役側の取り巻きキャラたちが前半にほとんど倒されてしまって、最後の闘いに出てこない事くらいか。ありゃ?随分欠点があるなあ。いや、でもこれが武侠物の魅力。つんと済ましたチャン○ーモウのなんちゃって武侠物とはスケールが違う
で、また音楽が素晴らしい出来で、一体誰かとクレジットを目を凝らして見ていたら、日本人だったので驚いた。不勉強で知らなかったが有名な人らしい。もう今やサントラを買おうとする寸前である。
それにしても、これを「HERO」「LOVERS」に続く作品として宣伝するのはちょっとひどくはありませんですかね?間違って見に来ちゃうお客もかわいそうだし、ツイハーク大師にも失礼だ。
ちなみに星は、久々に見た本格武侠物と言う事で甘々であります。
御裁断は(最高☆5つ)
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