サイドウェイ
この映画を見ると、とってもワインが飲みたくなる。私もレイトショーから帰ってきて、冷蔵庫の中に1本入っていた2500円程する、私的にはお高めのワインをついつい開けてしまった。そうしていると、近くを通ったヨメサンが瓶を蹴飛ばしてしまって、中身をこぼしたのである。そんなことをしようものなら悪態の一つ二つ浴びることが当然なのが結婚5年目の真実と言うものだが、私はなぜかそんなどんくさいことをしたヨメサンに怒るどころか、ほわんと心が暖くなって、一緒にこぼれたワインを拭いていたと言う。そういう気持ちにもなる映画。こう、しょぼい人生にもだからこそ出てくる味わいがあるんだなあ、という。ヴァージニア・マドセンは正しいと思う。良い映画だ。
主人公のポール・ジアマッティは作家志望の学校教師。小説を書いても書いても出版にこぎ着けられなくて、自分の人生に意味なんてあるのだろうか、と落ち込んでいる。でもまあ、そんなことがかなう人は極くわずかなのであって、それが思い通りにならないからといって自分の人生に疑問を持つと言うのは、そもそも問題設定が間違っていると言わざるを得ない。いい年なんだから、もうちょっと目標は堅実に。いや、最期には落ち着くのだけど。
アレクサンダー・ペインの映画としては、「ハイスクール白書」と比べると、話がだらだらしていて1段劣ると私は思うのだけど、こっちの方が好きな人も多いだろうと思う。アカデミー賞もむべなるかな。
御裁断は(最高☆5つ)
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