ここのところ「エターナル・サンシャイン」「バタフライ・エフェクト」と記憶に関する映画が連続していて、この二つは記憶の特質であるところの、その極めて曖昧かつ主観的な側面をちゃんと扱っていたように思う。一方で今作では、ジュリアン・ムーアは自分の記憶の確かさには一ミリも疑いを抱いておらず、第三者の立場からその疑いを提示するキャラクターも存在しないわけで、つまりこの映画では記憶は確かなものとして位置付けられているわけだ。「登場するだけですべてをB級映画に変えてしまう男((C)ヨメサン)」ゲイリー・シニーズが主人公の記憶に異を唱えるのも最初のわずかだけだし。まあ、本質的にトンデモだから、上二作のような思索的な側面を入れろと言うのは無理かもしれないが、それにしても折角記憶を題材にしていると言うのに「で一体誰のいっていることが真実なんだ?」というサスペンスがほとんど出てこないのは大変にもったいないことと思う。私的には嫌いじゃないんだけどなあ。
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