ザ・インタープリター
シドニー・ポラックが監督した、緊迫したサスペンスの中に、心に影のある男と女が惹かれあう話が折り込まれる作品と言えば、あの「ランダム・ハーツ」であるが、本作も似たような作品として宣伝されいてる。そんなもんだから、見ている当方としては、いつ何時クールを装うショーン・ペンがニコール・キッドマンにがばっと行くかと気が気じゃない2時間であった。あー、はらはらした。
ところが実体は、浮ついたところは極くわずかで、中盤のシークレット・サービスが追跡している3つのパーティーが一つのバスの中に乗り合わせるところのサスペンスなんて、近年稀に見る緊迫感で、まあストーリーとか無理矢理なところもあるのだけど、全体としては面白く見る事ができた。シドニー・ポラックもやればできるじゃん。
お話は、アフリカの小国で起きている内戦を巡って、過去は立派な人物だったけれど、今は権力を守るためには何でもするようになってしまった独裁者の暗殺計画にまつわるもの。終盤になって出てくる、このズワーニ大統領を演じるアール・キャメロンの演技がとても良い。高い理想を持っていたのに、現実の政治の中でボロボロにすりきれてしまった人物の空虚な感じがとても印象的だった。ニコール・キッドマンもこういう役柄だと凛として綺麗だ。世が世なら私もがばっと。。
国連でのロケだそうだ。「北北西」は遠くになりにけり。
御裁断は(最高☆5つ)
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