クライシス・オブ・アメリカ
戦争の英雄と言うニセの経歴を持ち、かつ洗脳を受けた人物がアメリカ副大統領になろうとする話を、その戦時中の同僚の視点から描いたサスペンス。「影なき狙撃者」のリメイク。オリジナルは見ていないので、なぜ、この設定でこんな邦題なのか?と不思議に思っていたが、今作を見て納得。看板に偽りなし。
で、サスペンス映画としては、謎が早々に割れてしまうので、後は陰謀が如何に防がれるか、という点に興味がうつるのだが、最新科学技術風に見せたいのだと思われる洗脳技術がどうもウソっぽくて、陰謀を行う側と暴こうとする側の攻防に今一つ没頭できなかった(見方を間違えたのかもしれない)。主人公のデンゼル・ワシントンが従軍経験の後遺症で精神に問題を抱えているという設定であるのも、彼我の力のバランスを悪くし、サスペンスに盛り上がりを欠く原因であったろう。もしこの設定を残すのであれば、終わりの方まで、本当に陰謀が存在しているかどうかを曖昧なままにしておいた方が良かったような気がする。
リーブ・シュライバーの最期の行動などお話の転がし方に腑に落ちない点がいくつかあった。メリル・ストリープは流石の圧巻だが、最近はこんな役もやるのだなあ。あと、なぜだか見ていて「ステップフォード・ワイフ」を思い出した。洗脳つながりか。
御裁断は(最高☆5つ)
最近見た映画へ
一覧へ