ファイヤーウォール
「コンピューター・セキュリティ 最大の弱点は、それを作った人間」ということで、銀行のセキュリティー部門の担当であるハリソン君を脅迫して大金を振り込ませようと言う話であるが、なぜこの話のタイトルが「ファイヤーウォール」になるのかは謎である。このシチュエーションでは、いわゆるコンピュータ用語としてのファイヤーウォールは関係ないじゃないのよねえ。まあハリウッドが作るコンピュータ絡みの映画ってこんなもんだよなあ。しかしこういう犯罪は、窓口嬢を抱き込んだってできそうなものだが、それとは違うのでしょうか?
いや、まあそれはともかく、映画としてはセキュリティーを作った人間に金を奪わせるということで、やはりここはシステムに精通した人間だからこそできるあっと驚く手法が見たいところ。ところがどっこいハリソン君がやるのは、家庭用FAXの光学読み取り部分とiPodを組み合わせた手製スキャナで、モニター画面に高速で表示される顧客の口座番号のリストを読み取ると言う手法。ハイ皆さんここはずっこけるところね。
いや、わかるのだよ、コンピュータ絡みで起こる事象を具体的な形を伴う映像で描くのがとても困難だと言う事は。上の手法にしたって、ハリソン君が天才的に開発したプログラムを仕込んだら、できちゃいましたってんじゃ絵にならないものね。いや、わかってるんだけど、でもやっぱりスキャナーはないだろ、スキャナーは。
で、最後は案の定格闘となる。どんなに最先端技術を駆使してみても、最後は肉体が決め手!それがハリソン君もいつの間にやら64歳。ロジャームーア後期の007みたいになってきたわけで、何やら見ているこちらも痛々しさを感じる。そろそろ許してやれよう。
ということで、後生だからインディ4は実現させないでください。
まあでも、サスペンス映画としてはそこそこまとまっていて、ヴァージニア・マドセンも頑張っていたので、割と面白く見れたんだけどね。
御裁断は(最高☆5つ)
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