インサイド・マン
チャイヤ・チャイヤという曲に乗ったオープニングシークエンスがとてもカッコ良い。このテンションが最後まで維持されればさぞやすごい映画だろうと期待したけど、さすがにそこまでではなくて残念。とはいえ、本格的な娯楽映画として良い出来だと思う。
冒頭クライブ・オーウェンが、完全犯罪について語る。ということで、これから展開される銀行強盗が成功裏に終わる事が前提として話が進むわけで、じゃあ興味の焦点は「どうやって?」ということになる。しかしながら、強盗側があまりに余裕綽々で、そこにサスペンスを求めて見ていると肩透かしを食うのである。
では、どこからこの映画を見るのが良いかと言うと、犯人には良いように翻弄され、ジョディ・フォスターに好き放題されて、事件さえ取り上げられかける、「ああ困ったなあもう」というデンゼル・ワシントンの立場を楽しむべしということである。もうアルバニア語のエピソードあたり最高。まあそんなわけで、この映画はオトナの味わい。映画に強い刺激を求める向きにはちょっとつまらなかいかもしれないね。
しかし、どうでもいいが、ある意味でこんなに潔いタイトルの作品もそうそう無いね。
御裁断は(最高☆5つ)
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