パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト
カリブの海賊、大英帝国の逆襲編。という話。ということは来年公開予定の第三部では子熊の盆踊りが?
いや、第一作のすかっとした明るさが影をひそめ暗いトーンが底に流れている事、船長がすっかりメインになってしまって、あげくヒロインのなびく方向まで変わってしまっている事、船長側に裏切り者がいる事、主役に最後に訪れる運命とそれが続編に繋がっている事と共通点がとても多い。
テーマ的には第一作では、海賊賛歌を通じて自由である事の肯定が描かれていたように思うが、今作では逆に自由である事の代償というか、負の側面というか、そこから生じる負債のようなものが描かれているような気がする。まあ第三部を見ない事には、本当のところは何とも言えないのだけど。
それでも今作は立派な夏の娯楽大作であって、アクションシーンあり、SFXもあり(デイヴィ・ジョーンズ側の、海の生物と一体化した者共のディテールを見よ)、前作より少なくなったとはいえコミカルなシーンあり、である。ただし前作の登場人物のうち、かなりの人数が脇役を含めて再登場するので、復習しておくのは必須と言えよう。
どうでもいいが、私はビル・ナイが出てるなんてまったく知らずに見に行ったのに、デイヴィ・ジョーンズが出てきてすぐに「オオ、ビル・ナイ」と思ったわけで(一緒に見ていたヨメサンはクレジットを見てもそれと気が付かなかったそうだが)、彼の目は独特なんだなあと思った。目は口ほどに物を言い。ちょっと違うか。
しかし、これだけ自分の損得勘定で動くキャラクターがたくさん出てくるようになると、彼らの力学を元にお話が転がるこのシリーズの三作目は、ちゃんとストーリーがまとまるんだろうか少し心配。
御裁断は(最高☆5つ)
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