ダ・ヴィンチ・コード
原作は本置く能わざる面白さだったものだが、ロン・ハワードが映画化すると言うので、だめだこりゃと思っていたら、やっぱりだめだこりゃだった。せめて冒頭のルーブル脱出シーンだけでも面白く撮れなかっただろうか。原作では、話があっちに飛んでこっちに跳んで、読んでて翻弄されたのだが、そんな感覚は映画からは全く得られなくて、なんか手続き的に謎が解き進められた感が残る。
原作においても、明らかに失速が見られるお話の後半部分については、映画では言葉による説明に言葉による説明を重ねて進行する。最後の最後のクライマックスも映像化できないものなので、トム・ハンクスのアップを延々と写し大げさな音楽が流れるばかり。それじゃあ観客は置いてきぼりだってばさ。導師の物語への絡み方についても、とってもご都合主義的に見えてションボリ。いや、原作と同じなんだから映画をご都合主義と非難するのは不当な気もしないでもないが、でも原作では話の展開をご都合主義と感じさせない努力が行われていた気がする。映画にはそんな余裕がないのか、もしくはそんな原作にあった努力はビジュアル面が弱かったので省略されたのか
初めてオドレイ・トトゥをキレイな人だと思った。ポール・ベタニーは悪役ちゃんと出来るじゃないか。「ファイヤーウォール」時の精彩のなさと偉い違いだ。イアン・マッケランとトム・ハンクスはちょっとパターン化しすぎてきているねえ。
御裁断は(最高☆5つ)
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