エミリー・ローズ
悪魔祓いに関する二つの見方を法廷劇の形で描いた作品。結局起こった事はなんだったかの判断は観客に委ねられる。
それはともかく、劇中で主人公が「悪魔が本当にいる事が神の存在の証明になる。だから私は私に起った事を知ってもらいたい」というようなセリフがあって、それをもって主人公は自らを犠牲にして信仰を高めた聖人であるという扱いがなされていて、驚いた。確か「エクソシスト」の原作にもそのような意味のセリフがあったけれど、でもそれは神への呪詛にも近いものだったことを思い出す。今作の立場って異端にならないんでしょうか?
映画としては、営業用に怖いシーンもそこそこあるのだけど、芯は真面目に信仰を考察するものなのであって、恐怖映画だと期待すると肩透かしを食うと思う。エミリー・ローズのイナバウアーという話も巷であるようだが、論外。
主役はローラ・リニー。「プロフェシー」もあったし、いつのまにやら超常現象映画女優になってしまいそうだが大丈夫でしょうか?
御裁断は(最高☆5つ)
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