レジェンド・オブ・ゾロ
快作「マスク・オブ・ゾロ」の8年ぶりの続編。どうしてまたこんなに時間が開いたのか私は全く知らないが、今回は大きくなった子供を含む家族愛が話の縦糸だから(ゾロ版スパイ・キッズに見えない事もない)、好意的に解釈すれば、そんなストーリーが可能になるだけの時間を置いたと考える事もできる。まあでも、ほとんどの観客が8年間の間に前作の記憶を失ってしまう結果になったのが現実だけど。
で、どうも作り手も何か大事な事を忘れてしまったらしく、作品としての出来は前作と比べるとチョト落ちる。あ、でも馬から落ちてズッコケ、だけは忘れていなかったので、ちょっと懐かしかった。なんせ8年ぶりだものねえ。とはいえ、決してつまらないわけでなく、ゆるい娯楽活劇としてはちゃんと出来ていると思う。
8年にこだわるけれど、今作には国家の安寧のために一つの家族に犠牲を強いる事を何とも思わぬ政府の輩が出てきて、これもこの8年間にあった世界情勢の変化の影響かとうがってみる。まあそれでも、この輩に訪れた結末を見ると、作り手がこの変化を必ずしも肯定的に受け取っているのではなさそうなので、少し心が落ち着く。そういえば、今作のシチュエーションは「汚名」と同じなんだけど、大人の複雑な心模様なんて一ミリも無くって、まあでも考えてみれば、それは娯楽活劇に求めるべき要素では無いわね。
しかし、バンちゃんもドスコイ=ゼタジョーンズも老けたねえ。
御裁断は(最高☆5つ)
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