トム・ヤム・クン!
マッハ!!!!!!!!に続いてまた「この映画っておバカでしょ」系の愛のない宣伝+邦題をつけやがって、40近いオッサンが土曜の夜中に何が悲しゅうて「トム・ヤム・クン一枚」とか言わなきゃならんのだ全くもう。と思いながら話が始まってみると、「Tom Yum Goong」とタイトルが出て、「さらわれた象をオーストラリアに助けにいく話のはずなのに、なんでやねん!」と心の中で突っ込んでいたら、悪人の巣くうタイ料理屋の名前が「トム・ヤム・クン」だった。というわけで、どうもこの邦題は配給のせいじゃないらしい。すまんかった疑って。
いやでも、日本からも製作費が出ているようなので、ひょっとしてこの原題って、そういう線からの圧力の結果とかじゃないだろうなあ?
まあそれはともかく、マッハのスタッフと主役二人が再び集まり、前作以上の製作費で、舞台もワールドワイドにスケールアップ。という触れ込みだが、正直今作は、なまじちゃんとした作品にしようとしたせいで焦点がボケてしまった気がする。どこにでもあるようなお話を転がすのはもう良いから、早くトニー・ジャーの動くところを見せておくれよ、という。前半のボートのアクションも、折角お金があるんだから派手な事やりたいというのはわかるんだけど、でもそれじゃあトニー・ジャーじゃなくても良いわけだ。塔を駆け登りながらワンカットで次々と敵を倒していくのも、手順をこなしているのが見えてしまうし、今回はやたら敵の四肢を折って回るのだけど、その度にボキッボキッと生理的にイヤな音が続くのも気になった。それから、これポイントだけど、マッハのトニー・ジャーを10倍カッコよく見せていた、拳を敵に突き出す決めのポーズが今回はあまり見られないのだな。
そんなこんなで、マッハにいたく感動した私的には今作は期待が高かった分、ちょっと物足りない。お金があったのなら、時代劇とかすれば良かったのにね。
しかし、マッハも今作も、自然と触れ合う素朴な生活と、お金にまみれた近代的な生活の対立を描いているわけだけど、これってのはやはり今のタイの社会を写しだしているのでしょうかね?ってことは30年ほど経つとタイ映画版の「オトナ帝国」とか作られたりして。
御裁断は(最高☆5つ)
06年に見た映画へ
一覧へ