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バイオハザードIII
ディスタービア
ボーン・アルティメイタム
スターダスト
インベージョン
キングダム 見えざる敵
パーフェクト・ストレンジャー
これは製作の段階でどこかが完全におかしくなった作品だと思う。この作品を「誰が真犯人だ?」ものとするなら、唐突に繰り返される、とあるシーンのせいで、開巻早いうちから答えが明らかにわかってしまう。で、こうなってくると一生懸命作り手が仕掛けるミスリードも観ているものには白々しく、早くオチつけてくれないかなあという気持ちになる。ひょっとしたら宣伝の際にこの映画を別の性質のものとして売っていたら、あるいはもう少し最後にサプライズが得られたのかもしれないが、事実は逆で、宣伝でもこの構造上の欠陥をより際立たせる形をとっている。つまりラストのどんでん返しを強調しているのだな。これはまずいでしょう。さらに、この作品の失敗は主役のハルベリーを鼻持ちならないキャラクターにしていることで、観客は彼女の危機に接してもちっともハラハラドキドキしない。ということで、よくわからない作品だった。ブルースウィリスもなあ。
でも、最後のワンカットだけは皮肉っぽくて面白かったかも。でも、このカットからも感じられるのは作り手の作品に対する突き放した態度だ。実はそう言うのって観ているものの作品の評価に大きな影響を及ぼすのじゃなかろうか。作り手が冷めていると観客も冷めてしまうと言う。
御裁断は(最高☆5つ)
プラネット・テラー in グラインドハウス
スキヤキ・ウェスタン ジャンゴ
ファンタスティック・フォー:銀河の危機
デス・プルーフ in グラインドハウス
シッコ
呪怨 パンデミック 日本語吹替版
私は通常洋画の吹替版は見ない。いや、今作が純然たる洋画かと言われると、違うような気もするが、とにかく見ないのだ。非現実の世界に入りたくて映画館に行って、外国の人達が色々するのをみるのに、何が悲しゅうて日本語を聞かなきゃならないのか。
しかしながら、最寄りのシネコンでは今作は吹替版しかやっていない。それどころか、近辺のどこを探してもやっていない。新宿まで行けばやっとなんとかなるのだが、でもこの年になって、人しかいないような新宿に、たかだか呪怨を見に行くでも無い。私にとって、この作品は映画の第一作(日本資本で作られた奴ね)があまりに面白かったから、そのお付合で見続けているだけなのだ。正直言って、日本の二作目とハリウッドでのリメイクはたいしたことなかった。
しかし、この吹替版は、想像も付かないシリーズ劣化のあり方を私に見せつけたのである。それは、声優に素人を起用した事。いや、正確に言うと素人ではなくて、お笑い芸人を使ったのである。で、これがセリフ棒読みだけじゃなくって、声の質が登場人物と全く合わない人までいる始末である。ジェニファー・ビールスも泣くよ。あんまり吹替がひどくって、湧き上がる違和感を抑えるのに精神的リソースのほとんどを使い果たしてしまい、作品の事なんて一ミリくらいしか覚えていない。こんな風にスムーズな観賞を妨げてまで話題作りをしなくちゃならないってのは、よっぽど質が悪い事を自覚しているのだろうか。はっ、その質の悪さに気が付かないように、わざと違和感でまくりな吹替を作って、そちらばかり公開しているのか?いや、冗談はともかく、作り手のやる気を疑いたくなるほどのひどい出来なのだ。こういう事を一度でもすると、観客の信頼感を失うのだが、わかっているのだろうか?
で、一ミリ程しか覚えていない作品の中身である。日本資本で作られた一作目の良さというか怖さってのは、伽椰子が言いがかりのようにいろんな人をイモヅル式に襲っていく、そのわけのわからなさの拡がり感にあるのだと思っているのだけど、今作は海外でも伽椰子が活躍するように空間的には拡がっているのだけど、主に3つある舞台の一つ一つが不必要な事までネチネチ描かれていて、閉塞感を感じさせる。広い舞台でせせこましい話。一作目の空っぽの世界がどこまでも拡大し続ける怖いイメージはどこへ行ってしまったのか。さらに、3つの舞台の絡まりがあまり良くないから、これでは単に伽椰子の羅列である。あの言いがかり感の怖さはどこへ行ってしまったのか。というか、今回の伽椰子はまるで貞子のようなシーンがいくつもあった。伽椰子は足で歩いちゃダメよ。
ということで、これが覚えている事の全て。
御裁断は(最高☆5つ)
トランスフォーマー
レミーのおいしいレストラン
ゾディアック
ダイ・ハード4.0
300(スリーハンドレッド)
パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド
ヒット作の続編を二部三部とまとめて作ると言う事をやりだしたのは「バック・トゥ・ザ・フューチャー」あたりからだろうか。撮影は効率良く進むだろうけれども、二部はともかく三部になると、作り手の力がつきてくるのか大味な作品になりがちだなあといつも思っている。
で、今作だが、そういう三部目であることを差し引いても、ちょっと目を覆いたくなる出来。まず、キャラクターがたくさん出過ぎて収拾がつかなくなっていて、しかもそれぞれがなんのために行動しているかが一貫しないので、見ていてただポカンとするばかり。一貫した目的を持つキャラクターがいないという事は、主役がいないという事である。それは客の立場からは、誰の立場にも自分の身を置く事が出来ないということで、娯楽映画としては致命的である。あれ?後から考えてみたらバルボッサだけはおかしな行動をとらなかったけれど、ひょっとして主役は彼か?
それからあれだけもったいぶって話を引っ張ってきたカリプソなる存在が、やっと現れたと思ったら、ただの黒いジャイアント・ウーマンで、しかもすぐに退場して後はお話上に全く関係してこないと言うのは一体どういう事だろう?いや、確かに嵐を呼んでいる事になっているのだけど、クライマックスの戦闘シーンを嵐の中でやりたいのなら、素直に嵐が来た設定にすればいいのであって、カリプソなんてものを持ち出さなくて一向に構わないではないか。あの生気のない大女を一瞬現れさせるためだけに世界中の海賊を一所に集めたのですか?なんてもったいない。
第二部の終わりで死んでしまったジャックであるが、本来これは幾多の困難と闘って彼を救出すべきところなのに、単に石のカニがいる変な場所にジャックを連れに行ってきました、って言うだけの何とも締まりのないシークエンスになっている。それから二部であれだけ大暴れしてくれたタコの化け物も、あっさり殺されていて本当にガッカリだ。どうやったらこんなに期待を肩透かしする脚本を書けるんだろうか?
しかも、今作ではコミカルなシーンの比重がとても少なくなっていた。ああ、一作目のあのまとまりぶりはどこへ行ってしまったのか。
御裁断は(最高☆5つ)
ザ・シューター 極大射程
リーピング
辛い事があって信仰を捨てた人が、いろいろあってやっぱり神を信じるようになる話は定期的に作られているような気がする。これは、実際に信仰を捨てたけどその事に傷ついている人が今でもけっこうな数存在しているということなのだろうかしら?
まあ、それはどうでもいいのだが、今作はそんな元牧師で今は奇跡の詐欺を暴く科学者であるところのヒラリー・スワンクがキャリーでエクソシスト2でローズマリーする話。いやもう極め付けのダメ作品。とにかく、おどろおどろしい音楽と、大音声とともに観客を脅かそうとするショックシーン(でも怖くない)の連続で綴る100分間。あげくカメラが不必要に揺れるので、うっかりすると画面酔い。私がもうちょっと大人だったら払ったお金も省みず途中退出するところだったよ。
いやでも、この作品の名誉のために書いておくと、映画館から帰ってヨメサンに、いかにひどい作品だったか訴えるために、ストーリーを話してみたところ「あれ?なんだか面白そうな話やんか」と思ったのでありました。もちろん面白いと言っても「ドリームキャッチャー」とか「イーオンフラックス」を誉める意味での面白さだけれど。いや、逆に言うと、映画館でリーピングを見ている最中は、そんな事も感じないくらい作品に憤っていたんだな私は。
それにしてもヒラリー・スワンクってキワモノばっかり出ているような気がするが、オスカーをなぜ持っているのか不思議だ。
御裁断は(最高☆5つ)
スパイダーマン3
ブラッド・ダイヤモンド
ラブソングができるまで
ロッキー・ザ・ファイナル
デジャヴ
ホリデイ
墨攻
ディパーテッド
傑作「インファナル・アフェア」のスコセッシによるリメイク。スコセッシだから、生きながら地獄に堕ちた苦しみを描くのではなく、いつものマフィアな男達の生き様を描いた作品になっていた。いや、ずーっとマーク・ウォルバーグが演じるところのキャラクタの存在理由がわからなかったのだけど、それはこの作品の根幹部分の変容と関係していたのだな、という。そもそもタイトルからして、死に行く運命にある者、ということで、これは全くのスコセッシ節になっているのである。
そういう根幹の部分はともかくとして、ストーリーは概ね原作をなぞっている。だけど、オリジナルにあった、麻薬取引シーンのピリピリするサスペンスは見られないし、二人の裏切り者が潜入する事になった過程の描き方ものっそりもっそりしていて、あまつさえラストに繋がる重要な複線さえ描き漏らすと言う、オリジナルレベルの出来の良さを期待すると、少し悲しい思いをしそうである。唯一いるヒロインの心理と言うのも、よくわからないしね。ディカプリオと関係を持たせる必要性ってのはハリウッドの中にしか存在しないんじゃないの?
最後に、ラストショットのあまりのあからさまさに、星一つ分減じさせてもらって、
御裁断は(最高☆5つ)
不都合な真実
それでもボクはやってない
ダーウィンの悪夢
007/カジノ・ロワイヤル
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