300(スリーハンドレッド)
テルモピレーの戦いというと、300のスパルタ兵が狭隘な山道で数万のペルシア兵を足止めにしたというもので、小良く大を制すからにはさぞかし知略に長けた戦術を使った事であろうと思っていたものだ。さて、そんなテルモピレーの戦いの映画であるからして、判官びいきの日本人たる私はとっても楽しみだったのだな。きっと山道を見下ろす要所要所に兵を配置して一撃して退却を繰り返しては敵に多大な損害を与えるとかそんな感じ
しかし蓋を開けてみたら、そんな弱者の奮闘努力って話じゃ全くなくて、半裸のマッチョマン対化け物の戦いだった。なんじゃそりゃ。しかもこのマッチョマンたち、頭はからっきし弱くって、やらなくても良いのに敵を挑発したり、折角味方になろうとする者を邪険に扱って敵に回してみたり、強大な勢力と対立する精鋭だが少数の勢力のやる事とは思えない。こういう時はあらゆる手だてをつかって自陣を有利な立場に置こうとするもんじゃないんでしょうか。
あげく、敵がギリシャの村人に行った残虐行為には怒りショックを受けるくせに、自分たちは敵兵の死体を使ってバリケードを築くという死者への冒涜を行うわ、自分たちはバッサバッサと敵を殺し回る割には、隊長の息子が首チョンパされたら、「敵を憎む!」とか叫んでみたり、なんかダブルスタンダードって言うの?
まあそんなわけで、ずっと他人事のようにスクリーンを観ていた私がいた。こうなってくると、エフェクト効かせまくりの画面作りもすぐに飽きてくるわけですよ。私は言いたい。もっと頭の良いドラマを!
御裁断は(最高☆5つ)
07年に見た映画へ
一覧へ