墨攻
大軍に包囲された孤立無援の城を救うために現れた一人の軍師、という盛り上がる事間違いないシチュエーションの作品なのだけど、実際は、知力を尽くした攻防戦というしーんはそれほどにはなかった。きっと予算が少なかったんだな。アフレコはほとんど口の動きとあってなかったし、大軍をCGで描いているところもはっきり他と違っている事がわかる質の低下が見られるのだな。で、その弱点をスターの見得で補おうと言う。まあ、その戦略はある程度成功しているのだけど、いかんせん色々なエピソードが平板に羅列されると言う構成なので、がーっという盛り上がりにはならなかった。ちょっと期待してたんだけどねえ。
それにしても、残酷極まりないエピソードが次々出てくるのだけど、それがあんまりにもあっさり描かれていて、そっちの方にぞぞっとするという。
それにしても、「兼愛」はやっぱりいかんのじゃなかろうか。そういうことが愚昧な指導者につけ入る隙を与えて、結果的に民を苦しめるんじゃないか、と、この映画からはそういうことを読み取る事も可能なのだけど、それでいいんでしょうか?
御裁断は(最高☆5つ)
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