スキヤキ・ウェスタン ジャンゴ
ええっと、実は私は三池崇史はこれまでウルトラマンマックスの二つのエピソードしか見た事がなくって、映画館では今回が初めての観賞なのである。で、マックスの宇宙化け猫の回では死ぬほど笑ったものであるが、今回も笑わせてもらった。石橋蓮司の通訳が必要な村長とか、タラちゃんと焼き豆腐とか。そもそもどこぞの寒村で洋服着た白い平家と赤い源氏が対立していて、そこに流れ者のガンマンが、ってしかも全編英語のセリフだというこの世界の壊れっぷりはどうなんだ。
いや、ギャグがツボに嵌まった時の破壊力は良い。問題は、このギャグが無秩序にどこにでもちりばめられてしまう事だと思う。西部劇の定番であるところの中盤で主人公が痛めつけられた後に、隠れて(場合によっては原住民の神秘の力で)回復し、最後の戦いに向かうという、この盛り上がりまくるクライマックスで、石橋貴明のやら立ちションやらのギャグは要らない。いや、確かにこういうシチュエーションでギャグをかましてくるなんて誰もやらないんだけど、それには十分な理由があるのだということですよ。あと、香川照之のゴラムモドキは空回りしてたような。。
このやり方と言うのは、手塚治虫が、話が盛り上がってくると恥ずかしくなってヒョウタンツギを出すっていうのとはどこか質が違うような気がする。この映画には恥ずかしそうなところが感じられないのだな。むしろ、ギャグを出す事が目的であって、お話はただの方便なのかもしれない。でも、だったら今回の西部劇のように骨格のしっかりしたお話にしない方がいいのかも。だって、観ている方としては否応なく盛り上がるわけよ、BBの素性とか明かされたりしたら。この熱さどうしてくれよう。
まあでも、面白かった。英語のセリフと言うのも、不必要に熱の入りがちな日本の俳優の演技を適度にぼやかしてくれたような気がするし。
御裁断は(最高☆5つ)
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