ディパーテッド
傑作「インファナル・アフェア」のスコセッシによるリメイク。スコセッシだから、生きながら地獄に堕ちた苦しみを描くのではなく、いつものマフィアな男達の生き様を描いた作品になっていた。いや、ずーっとマーク・ウォルバーグが演じるところのキャラクタの存在理由がわからなかったのだけど、それはこの作品の根幹部分の変容と関係していたのだな、という。そもそもタイトルからして、死に行く運命にある者、ということで、これは全くのスコセッシ節になっているのである。
そういう根幹の部分はともかくとして、ストーリーは概ね原作をなぞっている。だけど、オリジナルにあった、麻薬取引シーンのピリピリするサスペンスは見られないし、二人の裏切り者が潜入する事になった過程の描き方ものっそりもっそりしていて、あまつさえラストに繋がる重要な複線さえ描き漏らすと言う、オリジナルレベルの出来の良さを期待すると、少し悲しい思いをしそうである。唯一いるヒロインの心理と言うのも、よくわからないしね。ディカプリオと関係を持たせる必要性ってのはハリウッドの中にしか存在しないんじゃないの?
最後に、ラストショットのあまりのあからさまさに、星一つ分減じさせてもらって、
御裁断は(最高☆5つ)