アメリカン・ギャングスター
この映画は犯罪映画の衣をかぶっているのであるが、そのテーマの本質は、ビジネスロジックを貫徹させた所に現れる暴力性なのだと読み取った。タイトルに「アメリカン」と付いているのはその意であると言う。ここで描かれるギャングは、イタリアンでもアイリッシュでもなく、極めて資本主義の最先端を行く所であるアメリカのものである。流通経路を合理化し、質の良い物を安く売る。一体それのどこが悪い?
そんなビジネスマンにデンゼル・ワシントン。まるでエネルギッシュなエグゼクティブとして振る舞う彼が、突然振るう暴力が印象的。対する刑事役にラッセル・クロウ。だが、私には印象が薄かった。摘発のきっかけが敵失だったというところがその理由だろうか。
御裁断は(最高☆5つ)
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