いや、それはともかくとして、この映画で描かれたシチュエーションは、一人で寂しい事を除けば特段悲劇的でも無いと感じる私はどこか病んでいるんでしょうかね？でも私は少なくとも、今作のウィル・スミスのように、他に生き残っている人間がいる見通しが立たない状態で、一人でこの病気の特効薬を探して研究するなんて無意味な事はしないとおもうのである。よしんば研究に成功したとして、誰かを人間に戻したそばから化け物に食べられてしまうのがオチではないか？
というように、本作ではウィル・スミスの行動原理に説得力がないのである。途中何度もピンチに遭うのも自業自得だし、孤独でおかしくなりかけている心理状態を描こうとするビデオ店でのマネキンとのからみは単に気持ちが悪い人なだけだし。まあ、ウィル・スミスのオレ様映画だから他人がとやかく言う事ではないかもしれないが。それにしても、ずっと一人画面を張っていたウィル・スミスだけど、途中で他の登場人物が現れたら途端に怒り出したのには大笑いした。おいおい邪魔するなってか？ここはシチュエーション的には抱き合って喜びあっても良いところだぞ
原作はリチャード・マシスンだそうな。読んだ事はないがあらすじだけ聞くと、これまで自明だと思っていた世界観が最後でガラッと覆されるセンス・オブ・ワンダーな作品らしい。タイトルのレジェンドとは皮肉であるという。それに比べてこのオレサマ映画の面白みのない事よ（悪いのはチャールトン・ヘストンかもしれんが）。そのままの邦題もなんとかならないでしょうか。地球最後の男、ってB級センスに溢れたタイトルがあるんだからそれでいいのに。え？それだと誇大広告だって？じゃあNY最後の男で。
それにしても人のいなくなったNYにシカはともかくライオンがいるのは不思議だ。冬を乗りきれないと思うのだが。12モンキーズでも似たような場面があったが、これって文明崩壊と野生の復活を象徴する私の知らないイコンかなんかなんですかね？
