アイアンマン
死の商人が、自分で作った武器のせいで殺されそうになって一念発起、世界から武器を無くすために、最強の武器を造って正義を守るために精を出す。って、どういう倒錯やねん!という話なのだけど、明るくカラッと作られていて、主役のロバート・ダウニー・Jrの肩の力の抜け具合ともあいまって、楽しく観る事ができる。
面白いのは、アイアンマンのスーツを作る過程を、フェチですか?というくらいねちっこく描くところ。ちょっとずつ改良と調整を繰り返しながら物を作り上げていく過程って、理系的詩心を持つものにはたまらないのよね。これだけでご飯3杯食べられると言う。飛ぶ時の手の使い方とか、見た目より合理性優先なのも素敵。で、このスーツは基本的に甲冑だけど(だから叩いて作るんだよね)、ああいう金属のゴテゴテしたので体を覆って歩いてみたい(飛んだりもする)という気持ちは少なくとも私にはある。剣道で防具付けたりするのは重くてイヤな部分もあるけど、自分が強くなった気もするからね。きっと人類の長い戦争の歴史がそうさせるのだと言う事にしておく。
ところでロバート・ダウニー・Jrだけど、相手の目を見ないで喋るシーンが多い事に気が付いた。たいがい大事な事を喋っているシーンでも、目はあらぬ方向に泳いでいて、それがこの俳優の持ち味である空虚さを作りだしているのだな。今作はそこをうまく利用して、他の映画ではあまり見られないタイプの軽みを生み出していて高感度大。で、ちゃんと締めるところは視線をきっちり送って締めるからね。ただのそういうキャラクターの人と言うわけでもないのが良い。何気に地味な役まわりのグウィネス・パルトロウ(後半活躍していたはずなのに印象がない)もうまいキャスティングだと思う。グウィネスかわいいよグウィネス。
で、アベンジャーズですか。ピンの続編は無しでいきなり行くのか、と思ったけれど、アイアンマン2制作のニュースも聞こえてくる。私的にはとりあえずもうちょっと社長と秘書のじゃれあいを見てみたい。
御裁断は(最高☆5つ)
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